2011年3月9日水曜日

コブシ咲き始めました


 3月に入って暖かい日も多くなり、井の頭池のほとりではコブシの花が咲き始めました。白く大きな花はソメイヨシノよりも一足早く春の訪れを告げ、野を華やかに彩ります。  
 咲き始めた、と書きましたが今は膨らんだ蕾の一部が白い花弁を覗かせている状態で、完全な開花まではもう少しです。
 モクレン属のコブシは大変素晴らしい芳香を持っています。かつて資生堂はマグノリアという化粧品をラインナップしていました。それはハクモクレンやコブシから抽出したアロマを使った製品でした。マグノリアとはモクレン属の学名なのです。同じモクレン属でさらにいい芳香なのがハクモクレン、そしてニオイコブシと呼ばれるタムシバです。公園の管理者は植物を五感で楽しむことを知らないようで、人に触れる枝は伐ってしまいますから、なかなか香りを楽しむことができる箇所はないのですが、もしチャンスがあればぜひ香りを楽しんでみて下さい。花だけでなく枝葉も素晴らしい芳香です。桜を見るのもいいですが、コブシの観察で春を五感で楽しんでみませんか。

2011年3月1日火曜日

モンシロチョウの初見日はいつ?


 モンシロチョウがひらひら飛んでいるのを見ると、春だなぁと感じませんか。モンシロチョウは蛹の姿で越冬し、春になって暖かい日が続くと羽化して成虫になります。
 このように季節の変化と生態が密接につながっている生き物は、気象庁によって気象生物季節観測の指標に指定されています。他に桜前線として有名なソメイヨシノの開花やウグイスの初鳴き、ツバメの飛来なども春を告げる現象ですね。
 昔の人は、より自然と深くかかわって生活していたのでしょう。この時期をしっかりとらえて啓蟄と呼んでいました。
 モンシロチョウは井の頭周辺では例年3月上旬ごろに羽化していますが、年によって2月下旬だったり、3月下旬だったりしますし、もちろん九州では早く、東北では遅いのが通例です。今年はどうでしょうか。
 暖かい日が続いたら、ぜひモンシロチョウの姿を探してみませんか。毎年のデータを積み重ねると、その年の気候の特徴や、地域の気候変動なども見えてくるかもしれません。
追記:
井の頭公園の近隣にある練馬区の立野公園では、3月6日にモンシロチョウが観察されたそうです。また、私も、本日(3月17日)杉並区で初見しました。強い風に抗して、元気に飛んでる蝶の姿に勇気づけられます。みなさんもぜひ探してみてください。
 

寒緋桜

井の頭公園西園では河津桜が7分咲きで、寒緋桜も開花しました。沖縄で桜の開花といえばこの寒緋桜、南方系であることはその派手な色を観るとなんとなくわかります。この寒緋桜、緋寒桜とも呼ばれますが、彼岸桜と間違えないようにカンヒザクラと呼ぶのが正解かもしれません。
井の頭公園西園ではこの後、大寒桜が咲き始め、山桜や染井吉野が咲くのはもう少し先となります。