2011年5月25日水曜日

ゼフィルスの季節

 昨日の夕方3頭のアカシジミがコナラの木の上を飛び回っていました。今季初です。(写真は昨年のアカシジミ)


 アカシジミはミドリシジミ亜科に属するシジミチョウで、普通のシジミチョウより少し大きめです。この仲間は特別にゼフィルスと呼ばれることがあります。ギリシア語zephyrus(西風)が語源だそうです。

 ゼフィルスの仲間は、5月末から7月上旬の一時期にしか成虫が見られこと、きれいな色のものが多いことなどから、蝶の愛好家には人気です。日本には25種ぐらいいるそうですが、大抵は高地などにいる種類です。井の頭では平地性の3種しか見たことがありません。このアカシジミとウラナミアカシジミ・ミズイロオナガシジミです。

 みなさんもぜひこれら3種のシジミチョウを探し、年に一度のゼフィルスの季節を楽しんでください。井の頭でゼフィルスを見つけるには、コナラやクヌギの木やその下草を探すか、成虫が好んで蜜を吸いに来るクリの花で待つかするとよいと思います。

 昔は夕方になると、雑木林に上をたくさんのアカシジミが乱舞していたというような話を聞きます。ゼフィルスの幼虫たちはコナラやクヌギの葉を好んで食べるので、繁殖するにはそうした雑木林が必要なのです。でも、近年雑木林はどんどん減ってきて、ゼフィルスの数も少なくなってきました。少しでも多くのゼフィルスが見られるよう、井の頭の自然度を守っていきたいものです。
                       ミズイロオナガシジミ
                          ウラナミアカシジミ

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